2008年は森重にとって猛勉強の日々でした。
もともと研究者の森重。一つのことに取り組んだら、とことん追求する性質。
石鹸について独学で学びながら、勉強会やセミナー等で起業について学ぶ日々がつづきました。
日々勉強しながら、「日本で売れるブルキナファソ産のシアバター石鹸」を「ブルキナファソの生産者にお金が落ちる」方法で作って、売ることを模索しました。
ブルキナファソでHIV/AIDSに影響を受けた、あるいは感染した女性達の経済自立が自分の事業の目標。「日本のような品質管理に厳しいところで販売できる石鹸を作れるようになれば、世界のどこでも通用する石鹸をつくることができる。女性達が自分の技術、知識を生かして収入を得られることで、自分自身に自信を持って、収入を得られるようになれば自分自身に対する自信が持てるようになる。そうすれば、自分や子供の生活を改善するために「考え」、行動することができるようになる」と考えました。
そのためには持続性が大事。続かなければ意味がない。せっかく始めても、女性達が持続的に収入を得られなければ、ただの押しかけ迷惑の外国人事業家になってしまう。ブルキナファソで女性達に世界で通用する石鹸を作って、自分が日本でそれを売る。「ブルキナファソの女性にとっても、自分にとっても持続的な事業を作り上げよう」と心に決めます。
しかし、日本はそう簡単にものを売らせてくれるところではありませんでした。
薬事法の存在です。日本では、薬事法の免許を持っていない人間が石鹸を含め、肌に使うものを輸入、販売してはいけないことになっています。そして、薬事法の免許を取るのはそう簡単ではありません。
困り果てていた矢先、ラッキーなことに、偶然、友人の紹介で兵庫県三木市にある丸菱石鹸の西垣氏と出会いました。
森重は自分の思いを西垣氏にぶつけました。ブルキナファソへの、そして、シアバターを使って世界に通用する石鹸作りをしたいという熱い想いを。
熱い森重の思いに西垣氏は共感してくれました。ブルキナファソからの石鹸の輸入と仕上げだけでなく、手作り石鹸のプロである西垣氏が現地での石鹸製造技術研修にも協力 してくれることに。「ここまで来たら、やるしかない」。協力者を見つけ、更に前に進む力と勇気を得た森重。再びブルキナファソへ旅立ちました。現地でのパートナー機関と石鹸を製造する場所を建設するための資金探しです。
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